GPM の概要
GPM (General Purpose Mouse daemon;
汎用的なマウスデーモン) パッケージは、コンソールや xterm に対してのマウスサーバーです。
通常は単にカット&ペーストの機能を提供するだけでなく、 Links
などのさまざまなアプリケーションにて、マウスサポートを提供するためにこのライブラリが用いられます。
デスクトップ操作において、そして特に (Beyond) Linux From Sratch
の手順実現の際に、複数の画面間にてコピーペースト操作を行うのに便利です。
これをすべて入力していくことに比べれば、誤りが少なく済みます。
注記
LFS や依存パッケージが本ブックに示す最新安定バージョンでなかった場合には、BLFS
開発版においては、パッケージのビルドや処理実行が適切に行われないことがあります。
パッケージ情報
Additional Downloads
GPM Dependencies
Optional
texlive-20230313 (for documentation)
カーネルの設定
カーネル設定における以下のオプションを有効にして、必要に応じてカーネルを再ビルドしてください。
Device Drivers --->
Input device support --->
-*- Generic input layer (needed for keyboard, mouse, ...) [INPUT]
<*/M> Mouse interface [INPUT_MOUSEDEV]
GPM のインストール
以下のコマンドを実行して GPM をビルドします。
patch -Np1 -i ../gpm-1.20.7-consolidated-1.patch &&
./autogen.sh &&
./configure --prefix=/usr --sysconfdir=/etc ac_cv_path_emacs=no &&
make
If texlive-20230313 is installed, build
the GPM manual as dvi, ps, and pdf formats:
make -C doc gpm.{dvi,ps} &&
dvipdfm doc/gpm.dvi -o doc/gpm.pdf
このパッケージにテストスイートはありません。
root
ユーザーになって以下を実行します。
make install &&
install-info --dir-file=/usr/share/info/dir \
/usr/share/info/gpm.info &&
rm -fv /usr/lib/libgpm.a &&
ln -sfv libgpm.so.2.1.0 /usr/lib/libgpm.so &&
install -v -m644 conf/gpm-root.conf /etc &&
install -v -m755 -d /usr/share/doc/gpm-1.20.7/support &&
install -v -m644 doc/support/* \
/usr/share/doc/gpm-1.20.7/support &&
install -v -m644 doc/{FAQ,HACK_GPM,README*} \
/usr/share/doc/gpm-1.20.7
If texlive-20230313 is installed and
you've built GPM manual as dvi, ps, and pdf formats, install them
as the root
user:
install -vm644 doc/gpm.{dvi,ps,pdf} /usr/share/doc/gpm-1.20.7
コマンド説明
./autogen.sh:
このコマンドにより、まだ生成されていない configure スクリプトを生成します。
ac_cv_path_emacs=no
: This
variable works around an issue causing the package fail to build
with Emacs-29.1 installed. It also suppresses the
installations of some 「Emacs support files」 shipped with GPM. These
files are quite outdated and they should be superseded with
Emacs-29.1 built-in GPM support. If you need to
use Emacs-29.1 in Linux console with mouse support,
you should install (or reinstall) Emacs-29.1
after GPM.
install-info ...:
本パッケージは .info
ファイルをインストールしますが、dir
ファイルまでは更新しません。
このコマンドによって更新が行われるようにします。
ln -v -sfn libgpm.so.2.1.0
/usr/lib/libgpm.so: このコマンドはライブラリに対しての .so
シンボリックリンクを作成 (または更新) します。
GPM の設定
設定ファイル
/etc/gpm-root.conf
と ~/.gpm-root
: デフォルトの設定ファイル、および各ユーザーごとの
gpm-root 設定ファイル。
/etc/sysconfig/mouse
:
このファイルは、利用するマウスデバイスの名称とプロトコルを定めます。 このファイルを生成するために、root
ユーザーになって以下を実行します。
cat > /etc/sysconfig/mouse << "EOF"
# Begin /etc/sysconfig/mouse
MDEVICE="<yourdevice>
"
PROTOCOL="<yourprotocol>
"
GPMOPTS="<additional options>
"
# End /etc/sysconfig/mouse
EOF
設定情報
MDEVICE
, PROTOCOL
, GPMOPTS
の設定例は以下のとおりです。
MDEVICE="/dev/input/mice"
PROTOCOL="imps2"
GPMOPTS=""
どのようなプロトコルがあるかは、gpm -m [device]
-t -help
を実行することで一覧表示されます。 MDEVICE
の設定は、利用しているマウスがどのようなタイプであるかにより決定します。 例えばシリアルマウスなら /dev/ttyS0
(Windows では COM1 になります)、USB マウスならよく
/dev/ttyS0
となります。 また PS2 マウスなら
/dev/psaux
です。 GPMOPTS
は、利用しているハードウェアに応じて、'すべての機能' を実現する設定を行います。