9.8. /etc/inputrc ファイルの生成

inputrc ファイルは readline ライブラリに対する設定ファイルです。 この Readline ライブラリは、ユーザーが端末から文字列入力を行う際の編集機能を提供するものです。 キーボード入力内容は所定の処理動作に変換され解釈されます。 readline ライブラリは bash をはじめとする各種シェルや他の多くのアプリケーションにおいて利用されています。

ユーザー固有の機能を必要となるのはまれなので、以下の /etc/inputrc ファイルによって、ログインユーザーすべてに共通するグローバルな定義を生成します。 各ユーザーごとにこのデフォルト定義を上書きする必要が出てきた場合は、ユーザーのホームディレクトリに .inputrc ファイルを生成して、修正マップを定義することもできます。

inputrc ファイルの設定方法については info bash により表示される Readline Init File の節に詳しい説明があります。 info readline にも有用な情報があります。

以下はグローバルな inputrc ファイルの一般的な定義例です。 コメントをつけて各オプションを説明しています。 コメントはコマンドと同一行に記述することはできません。 以下のコマンドを実行してこのファイルを生成します。

cat > /etc/inputrc << "EOF"
# Begin /etc/inputrc
# Modified by Chris Lynn <roryo@roryo.dynup.net>

# Allow the command prompt to wrap to the next line
set horizontal-scroll-mode Off

# Enable 8-bit input
set meta-flag On
set input-meta On

# Turns off 8th bit stripping
set convert-meta Off

# Keep the 8th bit for display
set output-meta On

# none, visible or audible
set bell-style none

# All of the following map the escape sequence of the value
# contained in the 1st argument to the readline specific functions
"\eOd": backward-word
"\eOc": forward-word

# for linux console
"\e[1~": beginning-of-line
"\e[4~": end-of-line
"\e[5~": beginning-of-history
"\e[6~": end-of-history
"\e[3~": delete-char
"\e[2~": quoted-insert

# for xterm
"\eOH": beginning-of-line
"\eOF": end-of-line

# for Konsole
"\e[H": beginning-of-line
"\e[F": end-of-line

# End /etc/inputrc
EOF