本書のこれ以降で実行するコマンドはすべて root
ユーザーでログインして実行します。 もう lfs
ユーザーは不要です。
root
ユーザーの環境にて環境変数 $LFS
がセットされていることを今一度確認してください。
$LFS
ディレクトリ配下の所有者は今は lfs
ユーザーであり、これはホストシステム上にのみ存在するユーザーです。 この
$LFS
ディレクトリ配下をこのままにしておくということは、そこにあるファイル群が、存在しないユーザーによって所有される形を生み出すことになります。
これは危険なことです。 後にユーザーアカウントが生成され同一のユーザーIDを持ったとすると $LFS
の全ファイルの所有者となるので、悪意のある操作に利用されてしまいます。
この問題を解消するために $LFS/*
ディレクトリの所有者を
root
ユーザーにします。 以下のコマンドによりこれを実現します。
chown --from lfs -R root:root $LFS/{usr,lib,var,etc,bin,sbin,tools} case $(uname -m) in x86_64) chown --from lfs -R root:root $LFS/lib64 ;; esac