LFS ブックではテキストエディターとして Vim をインストールしました。 エディターと言えば他にもたくさんのものが存在し、例えば Emacs、nano、Joe などがあります。 どなたでもインターネット (あるいは特に USENET) をちょっとでも調べてみると、すぐに行き着く話題があります。 かつて激しく行われた論争です。 特に Vim ユーザーと Emacs ユーザーの間に繰り広げられたものです!
LFS ブックでは基本となる vimrc
ファイルを生成しました。
本節ではこのファイルの拡張方法を示します。 まず vim はグローバルな設定ファイル (/etc/vimrc
) を読み込み、同時にユーザー設定ファイル (~/.vimrc
) を読み込みます。
これらのファイルはともに、利用するシステムでの目的に合わせて設定を行います。
ここでは ~/.vimrc
として配置するユーザー設定ファイルに、多少の拡張を加えることで設定を変更します。 これを /etc/skel/.vimrc
に配置することにすれば、この後にあなたが新たにユーザーを加えた際には、そのユーザーに対してその設定を提供できることになります。
あるいは既に存在しているユーザー (root
ユーザーも含む)
に対して、/etc/skel/.vimrc
をそのホームディレクトリにコピーする方法もあります。 /etc/skel
からファイルをコピーした際には、ファイルのパーミッション、所有者、所有グループについて考慮するのを忘れないでください。
" Begin .vimrc
set columns=80
set wrapmargin=8
set ruler
" End .vimrc
コメントを表す記号は、ごく普通には # や // が用いられますが、ここでは " であることに注意してください。
これは誤りでもなんでもなく vimrc
における文法が少々変わっているのです。
以下に説明するのは、このファイル例に示している内容です。
set columns=80
:
これは端末画面上での文字カラム数を定めるものです。
set wrapmargin=8
:
これは、画面右端からどれくらいの文字数になったら改行を始めるかを指定するものです。
set ruler
: これは vim
の画面最下段の右端に、現在の行とカラム位置を表示するようにするものです。
vim には たくさん のオプションがあります。 これに対する詳細な情報は
vim
の実行中にヘルプとして参照することができます。 vim にて :help
と入力してください。 ヘルプ画面が表示されます。 または :help
usr_toc.txt
と入力すれば、ユーザーマニュアルの目次を参照することもできます。