ファイルシステムが生成できたら、ホストシステムからアクセスできるようにパーティションをマウントします。 本書では前に示したように、環境変数
        LFS に指定されたディレクトリに対してファイルシステムをマウントするものとします。
      
厳密に言うと「パーティションはマウントできません」。 マウントできるのは、そのパーティション内に埋め込まれているファイルシステムです。 ただし1つのパーティションに複数のファイルシステムを収めることはできないので、パーティションとそこに関連づいたファイルシステムのことを、同一のものとして表現するわけです。
以下のコマンドによってマウントポイントを生成し、LFS ファイルシステムをマウントします。
mkdir -pv $LFS
mount -v -t ext4 /dev/<xxx> $LFS
      
        <xxx> の部分は LFS
        パーティション名に合わせて置き換えてください。
      
        LFS に対して複数のパーティションを用いる場合 (例えば / と
        /home が別パーティションである場合)
        は、以下を実行してそれぞれをマウントします。
      
mkdir -pv $LFS mount -v -t ext4 /dev/<xxx>$LFS mkdir -v $LFS/home mount -v -t ext4 /dev/<yyy>$LFS/home
        <xxx> や <yyy>
        の部分は、それぞれ適切なパーティション名に置き換えてください。
      
        (LFS システムにおいて新たに生成されるファイルシステムのルートディレクトリである) $LFS ディレクトリに対して、その所有者とパーミッションモードをそれぞれ root および 755 に設定します。
        ホストディストロがこれとは違う値をデフォルトとしている場合を考慮して行うものです。
      
chown root:root $LFS chmod 755 $LFS
        この新しいパーティションは特別な制限オプション (nosuid、nodev など)
        は設定せずにマウントします。 mount
        コマンドの実行時に引数を与えずに実行すれば、LFS パーティションがどのようなオプション設定によりマウントされているかが分かります。 もし
        nosuid、nodev
        オプションが設定されていたら、マウントし直してください。
      
![[警告]](../images/warning.png) 
        
          上で説明した内容は、LFS 構築作業においてコンピューターを再起動しない場合の話です。
          コンピューターを一度シャットダウンした場合は、LFS 構築作業の再開のたびに LFS パーティションを再マウントする必要があります。
          あるいはブート時に自動マウントをしたいのであれば、ホストシステムの /etc/fstab ファイルを書き換えておく必要があります。 例えば /etc/fstab ファイルに以下のような行を追加します。
        
/dev/<xxx>  /mnt/lfs ext4   defaults      1     1
        追加のパーティションを利用している場合は、それらを書き加えることも忘れないでください。
        swap パーティションを用いる場合は、swapon コマンドを使って利用可能にしてください。
      
/sbin/swapon -v /dev/<zzz>
      
        <zzz> の部分は
        swap パーティション名に置き換えてください。
      
こうして新たな LFS パーティションが整いました。 次はパッケージのダウンロードです。