7.2. 所有者の変更

[注記]

注記

本書のこれ以降で実行するコマンドはすべて root ユーザーでログインして実行します。 もう lfs ユーザーは不要です。 root ユーザーの環境にて環境変数 $LFS がセットされていることを今一度確認してください。

$LFS ディレクトリ配下の所有者は今は lfs ユーザーであり、これはホストシステム上にのみ存在するユーザーです。 この $LFS ディレクトリ配下をこのままにしておくということは、そこにあるファイル群が、存在しないユーザーによって所有される形を生み出すことになります。 これは危険なことです。 後にユーザーアカウントが生成され同一のユーザーIDを持ったとすると $LFS の全ファイルの所有者となるので、悪意のある操作に利用されてしまいます。

この問題を解消するために $LFS/* ディレクトリの所有者を root ユーザーにします。 以下のコマンドによりこれを実現します。

chown --from lfs -R root:root $LFS/{usr,lib,var,etc,bin,sbin,tools}
case $(uname -m) in
  x86_64) chown --from lfs -R root:root $LFS/lib64 ;;
esac