パーティションとは、ディスクドライブ上の一定数のセクターの集まりのことです。 これはパーティションテーブルにおいて、その境界設定によって定められます。 オペレーティングシステムがファイルを保存するパーティションを利用できるように、そのパーティションはフォーマットしておかなければなりません。 そこにはラベル、ディレクトリブロック、データブロック、目的となるファイル位置へのインデックススキームといったものが含まれます。 ファイルシステムは、OS がパーティションの空き容量を管理できるようにしています。 また新規ファイル生成時や既存ファイルの拡張時に必要となるセクターの確保や、ファイル削除によって生み出された未使用データセグメントの再利用なども可能にします。 さらにデータ冗長性やエラー回復のためのサポート機能も提供しています。
LFS では Linux カーネルが認識できるファイルシステムであれば何でも利用できます。 最も標準的なものは ext3 や ext4 です。 ファイルシステムを正しく選ぶことは、実は難しいことです。 収容するファイルの性質やパーティションサイズにも依存します。 例えば以下のとおりです。
比較的小容量のパーティションで、/boot のようにあまり更新されないパーティションに対して適してます。
ext2 の拡張でありジャーナルを含みます。 このジャーナルとは、不測のシャットダウン時などに、パーティション状態の復元に用いられます。 汎用的なファイルシステムとして用いることができます。
ファイルシステムに用いられている ext 系の最新バージョンです。 新たな機能として、ナノ秒単位のタイムスタンプの提供、大容量ファイル (16 TB まで) の生成利用、処理性能の改善が加えられています。
この他のファイルシステムとして、FAT32, NTFS, JFS, XFS などがあり、それぞれに特定の目的に応じて活用されています。 ファイルシステムの詳細、さらに多くのことは https://en.wikipedia.org/wiki/Comparison_of_file_systems を参照してください。
LFS ではルートファイルシステム (/) として ext4 を用いるものとします。 LFS 用のパーティションに対して
ext4
ファイルシステムを生成するために以下のコマンドを実行します。
mkfs -v -t ext4 /dev/<xxx>
<xxx>
の部分は LFS
パーティション名に合わせて置き換えてください。
既存の swap
パーティションを利用している場合は、初期化を行う必要はありません。 新しく swap
パーティションを生成した場合には、以下のコマンドにより初期化を行ってください。
mkswap /dev/<yyy>
<yyy>
の部分は
swap
パーティションの名に合わせて置き換えてください。