この部は 3 つのステージに分かれています。 1 つめはクロスコンパイラーと関連ライブラリをビルドします。 2 つめはそのクロスコンパイラーを使って、ホストのパッケージからは切り離された形で、各種ユーティリティーをビルドします。 そして 3 つめでは chroot 環境に入ることで(さらにホスト環境から離れて)、最終システムを構築するために必要となる残りのツール類をビルドします。
この部から、新システムのビルドに向けた本格的作業を開始します。 ここではより注意深く、本書が示す手順どおりに作業を進めていくことが必要です。 各コマンドが何を行っているのかを十分に理解するようにしてください。 どれだけ熱心にビルド作業を終わらせているとしても、ただ単に書かれている内容を入力するだけの作業はやめてください。 わかっていないことがあれば、しっかりと本書を読むようにしてください。 また入力した内容やコマンドの処理結果は、ファイル出力を行うなどして記録するようにしてください。 tee ユーティリティーを使うことにすれば、何かおかしなことになっても調べられるようになります。
次の節では、ビルド過程における技術的な情報を示します。 それに続く節では、極めて重要な 全般的なコンパイル手順を示しています。