inputrc
ファイルは readline
ライブラリに対する設定ファイルです。 この Readline
ライブラリは、ユーザーが端末から文字列入力を行う際の編集機能を提供するものです。
キーボード入力内容は所定の処理動作に変換され解釈されます。 readline ライブラリは bash
をはじめとする各種シェルや他の多くのアプリケーションにおいて利用されています。
ユーザー固有の機能を必要となるのはまれなので、以下の /etc/inputrc
ファイルによって、ログインユーザーすべてに共通するグローバルな定義を生成します。
各ユーザーごとにこのデフォルト定義を上書きする必要が出てきた場合は、ユーザーのホームディレクトリに .inputrc
ファイルを生成して、修正マップを定義することもできます。
inputrc
ファイルの設定方法については info bash により表示される Readline Init File の節に詳しい説明があります。
info readline
にも有用な情報があります。
以下はグローバルな inputrc
ファイルの一般的な定義例です。
コメントをつけて各オプションを説明しています。 コメントはコマンドと同一行に記述することはできません。
以下のコマンドを実行してこのファイルを生成します。
cat > /etc/inputrc << "EOF"
# Begin /etc/inputrc
# Modified by Chris Lynn <roryo@roryo.dynup.net>
# Allow the command prompt to wrap to the next line
set horizontal-scroll-mode Off
# Enable 8-bit input
set meta-flag On
set input-meta On
# Turns off 8th bit stripping
set convert-meta Off
# Keep the 8th bit for display
set output-meta On
# none, visible or audible
set bell-style none
# All of the following map the escape sequence of the value
# contained in the 1st argument to the readline specific functions
"\eOd": backward-word
"\eOc": forward-word
# for linux console
"\e[1~": beginning-of-line
"\e[4~": end-of-line
"\e[5~": beginning-of-history
"\e[6~": end-of-history
"\e[3~": delete-char
"\e[2~": quoted-insert
# for xterm
"\eOH": beginning-of-line
"\eOF": end-of-line
# for Konsole
"\e[H": beginning-of-line
"\e[F": end-of-line
# End /etc/inputrc
EOF