8.75.1. Udev のインストール
Udev は systemd-255 パッケージの一部です。 ソース tarball としては systemd-255.tar.xz
ファイルを用います。
render
と sgx
という 2 つのグループが不要であるため、デフォルトの udev
ルールから削除します。
sed -i -e 's/GROUP="render"/GROUP="video"/' \
-e 's/GROUP="sgx", //' rules.d/50-udev-default.rules.in
Systemd を完全にインストールしていることを前提としている udev ルールを削除します。
sed '/systemd-sysctl/s/^/#/' -i rules.d/99-systemd.rules.in
ネットワーク設定ファイルへのパスがハードコーディングされているため、独立した udev インストールとして修正します。
sed '/NETWORK_DIRS/s/systemd/udev/' -i src/basic/path-lookup.h
Udev をコンパイルするための準備をします。
mkdir -p build
cd build
meson setup \
--prefix=/usr \
--buildtype=release \
-Dmode=release \
-Ddev-kvm-mode=0660 \
-Dlink-udev-shared=false \
-Dlogind=false \
-Dvconsole=false \
..
meson オプションの意味
-
--buildtype=release
-
本スイッチはデフォルトのビルドタイプ (「debug」) をオーバーライドします。
そのデフォルトでは、最適化されていないバイナリーが生成されます。
-
-Dmode=release
-
アップストリームが試験的なものとしている機能を無効化します。
-
-Ddev-kvm-mode=0660
-
デフォルトの udev ルールは、全ユーザーが /dev/kvm
にアクセスできるようになります。
しかし本書ではこれは危険なものと捉えています。 本オプションはこれをオーバーライドします。
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-Dlink-udev-shared=false
-
本オプションは、内部提供されている systemd 共有ライブラリ libsystemd-shared
を udev にリンクしないようにします。
このライブラリは Systemd 内の数多くのライブラリが共有するものとして作られていますが、udev
のみをインストールする際には少々おおげさなものです。
-
-Dlogind=false
-Dvconsole=false
-
これらのオプションは、udev ルールをいくつか生成しないようにするものです。
そのルールは、インストールする予定としていない Systemd コンポーネントに対するものであるためです。
同梱されている udev ヘルパーの一覧を取得して、それを環境変数に保存します。
(変数をエクスポートしておくことは、厳密に言えば不要です。
ただしこうすると、一般ユーザーによるビルドやパッケージマネージャーの利用がしやすくなります。)
export udev_helpers=$(grep "'name' :" ../src/udev/meson.build | \
awk '{print $3}' | tr -d ",'" | grep -v 'udevadm')
udev に必要となるコンポーネントのみをビルドします。
ninja udevadm systemd-hwdb \
$(ninja -n | grep -Eo '(src/(lib)?udev|rules.d|hwdb.d)/[^ ]*') \
$(realpath libudev.so --relative-to .) \
$udev_helpers
パッケージをインストールします。
install -vm755 -d {/usr/lib,/etc}/udev/{hwdb.d,rules.d,network}
install -vm755 -d /usr/{lib,share}/pkgconfig
install -vm755 udevadm /usr/bin/
install -vm755 systemd-hwdb /usr/bin/udev-hwdb
ln -svfn ../bin/udevadm /usr/sbin/udevd
cp -av libudev.so{,*[0-9]} /usr/lib/
install -vm644 ../src/libudev/libudev.h /usr/include/
install -vm644 src/libudev/*.pc /usr/lib/pkgconfig/
install -vm644 src/udev/*.pc /usr/share/pkgconfig/
install -vm644 ../src/udev/udev.conf /etc/udev/
install -vm644 rules.d/* ../rules.d/README /usr/lib/udev/rules.d/
install -vm644 $(find ../rules.d/*.rules \
-not -name '*power-switch*') /usr/lib/udev/rules.d/
install -vm644 hwdb.d/* ../hwdb.d/{*.hwdb,README} /usr/lib/udev/hwdb.d/
install -vm755 $udev_helpers /usr/lib/udev
install -vm644 ../network/99-default.link /usr/lib/udev/network
LFS 環境において有用となるカスタムルールやサポートファイルをインストールします。
tar -xvf ../../udev-lfs-20230818.tar.xz
make -f udev-lfs-20230818/Makefile.lfs install
man ページをインストールします。
tar -xf ../../systemd-man-pages-255.tar.xz \
--no-same-owner --strip-components=1 \
-C /usr/share/man --wildcards '*/udev*' '*/libudev*' \
'*/systemd.link.5' \
'*/systemd-'{hwdb,udevd.service}.8
sed 's|systemd/network|udev/network|' \
/usr/share/man/man5/systemd.link.5 \
> /usr/share/man/man5/udev.link.5
sed 's/systemd\(\\\?-\)/udev\1/' /usr/share/man/man8/systemd-hwdb.8 \
> /usr/share/man/man8/udev-hwdb.8
sed 's|lib.*udevd|sbin/udevd|' \
/usr/share/man/man8/systemd-udevd.service.8 \
> /usr/share/man/man8/udevd.8
rm /usr/share/man/man*/systemd*
udev_helpers
変数をクリアします。
unset udev_helpers