8.26. Libxcrypt-4.4.36

Libxcrypt パッケージは、パスワードに対する一方向のハッシュ処理を行う最新ライブラリを提供します。

概算ビルド時間: 0.1 SBU
必要ディスク容量: 15 MB

8.26.1. Libxcrypt のインストール

Libxcrypt をコンパイルするための準備をします。

./configure --prefix=/usr                \
            --enable-hashes=strong,glibc \
            --enable-obsolete-api=no     \
            --disable-static             \
            --disable-failure-tokens

configure オプションの意味

--enable-hashes=strong,glibc

安全なユースケースに対して推奨される強力なハッシュアルゴリズムを用いてビルドを行います。 このハッシュアルゴリズムは Glibc による従来の libcrypt と互換性があります。

--enable-obsolete-api=no

古い API 関数を無効にします。 最新の Linux システムをソースからビルドする際には不要なものです。

--disable-failure-tokens

failure token 機能を無効にします。 これは、特定プラットフォームにおいて、古くからあるハッシュライブラリとの互換性を保つために必要となります。 ただし Glibc ベースの Linux システムでは不要なものです。 it.

パッケージをコンパイルします。

make

ビルド結果をテストする場合は以下を実行します。

make check

パッケージをインストールします。

make install
[注記]

注記

上に示した手順では、古い API 関数を無効にしました。 このようにしても、ソースからコンパイルしてインストールしたパッケージ類は、実行時にそのライブラリにリンクされるものは一つもありません。 ただし、バイナリでのみ提供されている特定のアプリケーションが、その関数ライブラリへのリンクを行い、そこでは ABI バージョン 1 を必要としています。 そういったバイナリのみで提供されているアプリケーションの利用においてその関数を必要とするか、あるいは LSB への準拠を必要とする場合には、以下のコマンドを使って本パッケージをもう一度ビルドしてください。

make distclean
./configure --prefix=/usr                \
            --enable-hashes=strong,glibc \
            --enable-obsolete-api=glibc  \
            --disable-static             \
            --disable-failure-tokens
make
cp -av --remove-destination .libs/libcrypt.so.1* /usr/lib

8.26.2. Libxcrypt の構成

インストールライブラリ: libcrypt.so

概略説明

libcrypt

パスワードをハッシュする関数を提供します。