8.48. Kmod-31

Kmod パッケージは、カーネルモジュールをロードするためのライブラリやユーティリティーを提供します。

概算ビルド時間: 0.1 SBU 以下
必要ディスク容量: 12 MB

8.48.1. Kmod のインストール

Kmod をコンパイルするための準備をします。

./configure --prefix=/usr          \
            --sysconfdir=/etc      \
            --with-openssl         \
            --with-xz              \
            --with-zstd            \
            --with-zlib

configure オプションの意味

--with-openssl

このオプションは Kmod において、カーネルモジュールに対する PKCS7 署名を取り扱えるようにします。

--with-xz, --with-zlib, --with-zstd

これらのオプションは、Kmod が圧縮されたカーネルモジュールを取り扱えるようにするものです。

パッケージをコンパイルします。

make

本パッケージのテストスイートでは、 生のカーネルヘッダー(以前にインストールした健全化(sanitized)されたヘッダーではないもの)が必要です。 これは LFS の範囲を超えているものです。

パッケージインストールし、Module-Init-Tools パッケージとの互換性を保つためにシンボリックリンクを生成します。 Module-Init-Tools パッケージは、これまで Linux カーネルモジュールを取り扱っていたものです。

make install

for target in depmod insmod modinfo modprobe rmmod; do
  ln -sfv ../bin/kmod /usr/sbin/$target
done

ln -sfv kmod /usr/bin/lsmod

8.48.2. Kmod の構成

インストールプログラム: depmod (kmod へのリンク), insmod (kmod へのリンク), kmod, lsmod (kmod へのリンク), modinfo (kmod へのリンク), modprobe (kmod へのリンク), rmmod (kmod へのリンク)
インストールライブラリ: libkmod.so

概略説明

depmod

存在しているモジュール内に含まれるシンボル名に基づいて、モジュールの依存関係を記述したファイル (dependency file) を生成します。 これは modprobe が必要なモジュールを自動的にロードするために利用します。

insmod

稼動中のカーネルに対してロード可能なモジュールをインストールします。

kmod

カーネルモジュールのロード、アンロードを行います。

lsmod

その時点でロードされているモジュールを一覧表示します。

modinfo

カーネルモジュールに関連付いたオブジェクトファイルを調べて、出来る限りの情報を表示します。

modprobe

depmod によってモジュールの依存関係を記述したファイル (dependency file) が生成されます。 これを使って関連するモジュールを自動的にロードします。

rmmod

稼動中のカーネルからモジュールをアンロードします。

libkmod

このライブラリは、カーネルモジュールのロード、アンロードを行う他のプログラムが利用します。