8.66. Kbd-2.6.4

Kbd パッケージは、キーテーブル (key-table) ファイル、コンソールフォント、キーボードユーティリティを提供します。

概算ビルド時間: 0.1 SBU
必要ディスク容量: 34 MB

8.66.1. Kbd のインストール

バックスペース (backspace) キーとデリート (delete) キーは Kbd パッケージのキーマップ内では一貫した定義にはなっていません。 以下のパッチは i386 用のキーマップについてその問題を解消します。

patch -Np1 -i ../kbd-2.6.4-backspace-1.patch

パッチを当てればバックスペースキーの文字コードは 127 となり、デリートキーはよく知られたエスケープコードを生成することになります。

不要なプログラム resizecons とその man ページを削除します。 (今はもう存在しない svgalib がビデオモードファイルを提供するために利用していたものであり、普通は setfont コマンドがコンソールサイズを適切に設定します。)

sed -i '/RESIZECONS_PROGS=/s/yes/no/' configure
sed -i 's/resizecons.8 //' docs/man/man8/Makefile.in

Kbd をコンパイルするための準備をします。

./configure --prefix=/usr --disable-vlock

configure オプションの意味

--disable-vlock

このオプションは vlock ユーティリティーをビルドしないようにします。 そのユーティリティーは PAM ライブラリが必要ですが、chroot 環境では利用することができません。

パッケージをコンパイルします。

make

ビルド結果をテストする場合は以下を実行します。

make check

パッケージをインストールします。

make install
[注記]

注記

ベラルーシ語のような言語において Kbd パッケージは正しいキーマップを提供せず、ISO-8859-5 エンコーディングで CP1251 キーマップであるものとして扱われます。 そのような言語ユーザーは個別に正しいキーマップをダウンロードして設定する必要があります。

必要ならドキュメントをインストールします。

cp -R -v docs/doc -T /usr/share/doc/kbd-2.6.4

8.66.2. Kbd の構成

インストールプログラム: chvt, deallocvt, dumpkeys, fgconsole, getkeycodes, kbdinfo, kbd_mode, kbdrate, loadkeys, loadunimap, mapscrn, openvt, psfaddtable (psfxtable へのリンク), psfgettable (psfxtable へのリンク), psfstriptable (psfxtable へのリンク), psfxtable, setfont, setkeycodes, setleds, setmetamode, setvtrgb, showconsolefont, showkey, unicode_start, unicode_stop
インストールディレクトリ: /usr/share/consolefonts, /usr/share/consoletrans, /usr/share/keymaps, /usr/share/doc/kbd-2.6.4, /usr/share/unimaps

概略説明

chvt

現在表示されている仮想端末を切り替えます。

deallocvt

未使用の仮想端末への割り当てを開放します。

dumpkeys

キーボード変換テーブル (keyboard translation table) の情報をダンプします。

fgconsole

アクティブな仮想端末数を表示します。

getkeycodes

カーネルのスキャンコード-キーコード (scancode-to-keycode) マッピングテーブルを表示します。

kbdinfo

コンソール状態に関しての情報を取得します。

kbd_mode

キーボードモードの表示または設定を行います。

kbdrate

キーボードのリピート速度 (repeat rate) と遅延時間 (delay rate) を設定します。

loadkeys

キーボード変換テーブル (keyboard translation tables) をロードします。

loadunimap

カーネルのユニコード-フォント (unicode-to-font) マッピングテーブルをロードします。

mapscrn

かつてのプログラムです。 これはユーザー定義の文字マッピングテーブルをコンソールドライバーにロードするために利用します。 現在では setfont を利用します。

openvt

新しい仮想端末 (virtual terminal; VT) 上でプログラムを起動します。

psfaddtable

Unicode キャラクターテーブルをコンソールフォントに追加します。

psfgettable

コンソールフォントから埋め込まれた Unicode キャラクターテーブルを抽出します。

psfstriptable

コンソールフォントから埋め込められた Unicode キャラクターテーブルを削除します。

psfxtable

コンソールフォント用のユニコード文字テーブルを取り扱います。

setfont

EGA (Enhanced Graphic Adapter) フォントや VGA (Video Graphics Array) フォントを変更します。

setkeycodes

カーネルのスキャンコード-キーコード (scancode-to-keycode) マッピングテーブルの項目をロードします。 キーボード上に特殊キーがある場合に利用します。

setleds

キーボードフラグや LED (Light Emitting Diode) を設定します。

setmetamode

キーボードのメタキー (meta-key) 設定を定義します。

setvtrgb

仮想端末すべてに対してコンソールのカラーマップを設定します。

showconsolefont

現在設定されている EGA/VGA コンソールスクリーンフォントを表示します。

showkey

キーボード上にて押下されたキーのスキャンコード、キーコード、ASCII コードを表示します。

unicode_start

キーボードとコンソールをユニコードモードにします。 キーマップファイルが ISO-8859-1 エンコーディングで書かれている場合にのみこれを利用します。 他のエンコーディングの場合、このプログラムの出力結果は正しいものになりません。

unicode_stop

キーボードとコンソールをユニコードモードから戻します。