本章では、一時的システムに足りていない最後の部分をビルドしていきます。 つまり、パッケージビルドに必要となる多くのツールをビルドします。 こうして循環的な相互参照の関係が解決するので、これまで利用してきたホストオペレーティングシステムから完全に離れて(実行中のカーネルは除きますが)"chroot" 環境に入って、 ビルドを行っていきます。
chroot 環境内では適切な操作とするため、実行されているカーネルとのやり取りを確実に行います。 それはいわゆる 仮想カーネルファイルシステム を通じて行うものです。 chroot 環境に入る前には、あらかじめマウントされているはずです。 マウントがされているかどうかを確認する場合は findmnt を実行します。
「Chroot
環境への移行」 まで、コマンドの実行は LFS
を設定した上で、root
ユーザーにより行う必要があります。 chroot
環境に入っても、コマンドはすべて root
実行ですが、もう安心です。
LFS を構築しているコンピューター上の OS にはもうアクセスしないからです。 かと言ってコマンド実行を誤れば、簡単に LFS
システムを壊してしまうことになりますから、十分に注意してください。