本章では、つい先ほど作り出したクロスツールチェーンを利用して、基本ユーティリティーをクロスコンパイルする方法を示します。 このユーティリティーは最終的な場所にインストールされますが、まだ利用することはできません。 基本的な処理タスクは、まだホストのツールに依存します。 ただしインストールされたライブラリは、リンクの際に利用されます。
ユーティリティーの利用は次の章において、「chroot」環境に入ってから可能になります。 ただしそこに至る前の章の中で、パッケージをすべて作り出しておく必要があります。 したがってホストシステムからは、まだ独立している状態ではありません。
ここでもう一度確認しておきますが、root
ユーザーとしてビルドを行う際にも LFS
の適切な設定が必要です。
それができていないと、コンピューターが利用できなくなる可能性があります。 本章は全体にわたって、lfs
ユーザーにより操作します。 環境は 「環境設定」
に示したものとなっている必要があります。