本書の中では環境変数 LFS を何度も用います。 LFS
        システムのビルド作業時には常に定義しておくことを忘れないでください。 この変数は LFS
        パーティションとして選んだマウントポイントを定義します。 例えば /mnt/lfs というものです。 他の名前にしても構いません。 LFS
        を別のパーティションにビルドする場合、このマウントポイントはそのパーティションを示すようにしてください。
        ディレクトリを取り決めたら、変数を以下のコマンドにより設定します。
      
export LFS=/mnt/lfs
      上のように変数を定義しておくと、例えば mkdir $LFS/tools といったコマンドを、この通りに入力することで実行できるので便利です。 これが実行されると、シェルが「$LFS」を「/mnt/lfs」に (あるいは変数にセットされている別のディレクトリに) 置換して処理してくれます。
        
          $LFS が常にセットされていることを忘れずに確認してください。
          特に、別ユーザーでログインし直した場合 (su コマンドによって root ユーザーや別のユーザーでログインした場合) には、忘れずに確認してください。
        
echo $LFS
          上の出力結果が LFS システムのビルドディレクトリであることを確認してください。 本書に示す例に従っている場合は
          /mnt/lfs が表示されるはずです。
          出力が正しくない場合は、冒頭に示したコマンド実行により $LFS
          変数に正しいディレクトリを設定してください。
        
        
          LFS 変数を確実に設定しておくために、ローカルな .bash_profile および /root/.bash_profile に上記変数を export
          するコマンドを記述しておく方法もあります。 なお /etc/passwd
          ファイルにて LFS 変数を必要とするユーザーは、シェルとして bash
          を利用するようにしてください。 /root/.bash_profile
          ファイルはログインプロセスの一部として機能するためです。
        
          もう一つ気にかけることとして、ホストシステム上にログ出力を行う方法に関してです。
          グラフィカルディスプレイマネージャーを通じてログ出力を行うと、仮想端末が起動する際に、ユーザー独自の .bash_profile は普通は用いられません。 この場合は、各ユーザー用と
          root 用の .bashrc に export コマンドを追加してください。
          ここでディストリビューションの中には、"if" テストを利用して残りの .bashrc を実行しないようにしているものがあります。
          非対話形式を利用する場合は、そのテストの直前に export コマンドを追加してください。