7.12. Util-linux-2.39.1

Util-linux パッケージはさまざまなユーティリティープログラムを提供します。

概算ビルド時間: 0.2 SBU
必要ディスク容量: 169 MB

7.12.1. Util-linux のインストール

FHS では adjtime ファイルの配置場所として /etc ディレクトリではなく /var/lib/hwclock ディレクトリを推奨しています。 そこで以下によりそのディレクトリを生成します。

mkdir -pv /var/lib/hwclock

Util-linux をコンパイルするための準備をします。

./configure ADJTIME_PATH=/var/lib/hwclock/adjtime    \
            --libdir=/usr/lib    \
            --runstatedir=/run   \
            --docdir=/usr/share/doc/util-linux-2.39.1 \
            --disable-chfn-chsh  \
            --disable-login      \
            --disable-nologin    \
            --disable-su         \
            --disable-setpriv    \
            --disable-runuser    \
            --disable-pylibmount \
            --disable-static     \
            --without-python

configure オプションの意味

ADJTIME_PATH=/var/lib/hwclock/adjtime

これはハードウェアクロックの情報を保持したファイルの場所を設定するものであり、FHS に従ったものです。 一時的なツールにとって厳密には必要ではありませんが、別の場所にはファイル生成するわけにはいきません。 最終的な util-linux パッケージをビルドする際に、上書きしたり削除したりすることができなくなるからです。

--libdir=/usr/lib

本スイッチは、共有ライブラリを示す .so シンボリックリンクを同一ディレクトリ(/usr/lib)に直接生成するようにします。

--disable-*

コンポーネントのビルドの際に、LFS にはない、あるいはまだインストールしていない別のパッケージがあり、そのために発生する警告メッセージを無効にします。

--without-python

本スイッチは Python を用いないようにします。 ビルドの際に不要なバインディングを作らないようにするためです。

runstatedir=/run

本スイッチは uuiddlibuuid が利用するソケットの場所を適切に設定します。

パッケージをコンパイルします。

make

パッケージをインストールします。

make install

本パッケージの詳細は 「Util-linux の構成」を参照してください。