LFS にて構築するパッケージはすべて、他のいくつかのパッケージに依存していて、それらがあって初めて適切にインストールができます。 パッケージの中には互いに依存し合っているものもあります。 つまり一つめのパッケージが二つめのパッケージに依存しており、二つめが実は一つめのパッケージにも依存しているような例です。 こういった依存関係があることから LFS においてパッケージを構築する順番は非常に重要なものとなります。 本節は LFS にて構築する各パッケージの依存関係を示すものです。
ビルドするパッケージの個々には、3 種類あるいは、最大で 5 種類の依存関係を示しています。 1 つめは、対象パッケージをコンパイルしてビルドするために必要となるパッケージです。 2 つめは、対象パッケージのプログラムやライブラリが、実行時にその利用を必要とするパッケージです。 3 つめは、1 つめのものに加えて、テストスイートを実行するために必要となるパッケージです。 4 つめ以降は、対象パッケージをビルドし、最終的にインストールするために必要となるパッケージです。 たいていの場合、それらのパッケージに含まれているスクリプトが、実行モジュールへのパスを固定的に取り扱っています。 所定の順番どおりにパッケージのビルドを行わないと、最終的にインストールされるシステムにおいて、スクリプトの中に /tools/bin/[実行モジュール] といったパスが含まれてしまうことになりかねません。 これは明らかに不適切なことです。
依存関係として4つめに示すのは任意のパッケージであり LFS では説明していないものです。 しかし皆さんにとっては有用なパッケージであるはずです。 それらのパッケージは、さらに別のパッケージを必要としていたり、互いに依存し合っていることがあります。 そういった依存関係があるため、それらをインストールする場合には、LFS をすべて仕上げた後に再度 LFS 内のパッケージを再構築する方法をお勧めします。 再インストールに関しては、たいていは BLFS にて説明しています。