本書では、特定の表記を用いて分かりやすく説明を行っていきます。 ここでは Linux From Scratch ブックを通じて利用する表記例を示します。
./configure --prefix=/usr
この表記は特に説明がない限りは、そのまま入力するテキストを示しています。 またコマンドの説明を行うために用いる場合もあります。
場合によっては、1行で表現される内容を複数行に分けているものがあります。 その場合は各行の終わりにバックスラッシュ (あるいは円記号) を表記しています。
CC="gcc -B/usr/bin/" ../binutils-2.18/configure \ --prefix=/tools --disable-nls --disable-werror
バックスラッシュ (または円記号) のすぐ後ろには改行文字がきます。 そこに余計な空白文字やタブ文字があると、おかしな結果となるかもしれないため注意してください。
install-info: unknown option '--dir-file=/mnt/lfs/usr/info/dir'
上の表記は固定幅フォントで示されており、たいていはコマンド入力の結果として出力される端末メッセージを示しています。 あるいは
/etc/ld.so.conf
といったファイル名を示すのに利用する場合もあります。
ブラウザーの設定において、固定幅テキストに対しては適切なモノスペースフォントを用いるようにしてください。
これを設定していれば、Il1
や O0
のグリフを適切に識別できます。
Emphasis
上の表記はさまざまな意図で用いています。 特に重要な説明内容やポイントを表します。
https://www.linuxfromscratch.org/
この表記は LFS コミュニティ内や外部サイトへのハイパーリンクを示します。 そこには「ハウツー」やダウンロードサイトなどが含まれます。
cat > $LFS/etc/group << "EOF"
root:x:0:
bin:x:1:
......
EOF
上の表記は設定ファイル類を生成する際に示します。 1行目のコマンドは $LFS/etc/group
というファイルを生成することを指示しています。
そのファイルへは2行目以降 EOF が記述されるまでのテキストが出力されます。 したがってこの表記は通常そのままタイプ入力します。
<REPLACED TEXT>
上の表記は入力するテキストを仮に表現したものです。 これをそのまま入力するものではないため、コピー、ペースト操作で貼り付けないでください。
[OPTIONAL TEXT]
上の表記は入力しなくてもよいオプションを示しています。
passwd(5)
上の表記はマニュアルページ (man ページ)
を参照するものです。 カッコ内の数字は man
の内部で定められている特定のセクションを表しています。 例えば passwd コマンドには2つのマニュアルページがあります。 LFS
のインストールに従った場合、2つのマニュアルページは /usr/share/man/man1/passwd.1
と /usr/share/man/man5/passwd.5
に配置されます。 passwd(5)
という表記は /usr/share/man/man5/passwd.5
を参照することを意味します。
man passwd
という入力に対しては「passwd」という語に合致する最初のマニュアルページが表示されるものであり
/usr/share/man/man1/passwd.1
が表示されることになります。 特定のマニュアルページを見たい場合は man 5
passwd といった入力を行う必要があります。 マニュアルページが複数あるケースはまれですので、普通は
man <プログラム名>
と入力するだけで十分です。