8.69. Tar-1.35

Tar パッケージは tar アーカイブの生成を行うとともに、アーカイブ操作に関する多くの処理を提供します。 Tar はすでに生成されているアーカイブからファイルを抽出したり、ファイルを追加したりします。 あるいはすでに保存されているファイルを更新したり一覧を表示したりします。

概算ビルド時間: 1.7 SBU
必要ディスク容量: 43 MB

8.69.1. Tar のインストール

Tar をコンパイルするための準備をします。

FORCE_UNSAFE_CONFIGURE=1  \
./configure --prefix=/usr

configure オプションの意味

FORCE_UNSAFE_CONFIGURE=1

このオプションは、mknod に対するテストを root ユーザーにて実行するようにします。 一般にこのテストを root ユーザーで実行することは危険なこととされますが、ここでは部分的にビルドしたシステムでテストするものであるため、オーバーライドすることで支障はありません。

パッケージをコンパイルします。

make

コンパイル結果をテストするために以下を実行します。

make check
[注記]

注記

Tar のテスト時間は、システムが有するマルチコアに応じて明らかに少なくて済みます。 そのようにするためには、上のコマンドに TESTSUITEFLAGS=-j<N> を加えます。 例えば -j4 を指定すると、テスト時間は 70% 以上減少させることができます。

テストの 1 つ capabilities: binary store/restore は、LFS が selinux を含んでいないため、実行に失敗します。 ただし LFS ビルドに利用するファイルシステム上において、ホストカーネルが拡張属性またはセキュリティラベルをサポートしていない場合、このテストはスキップされます。

パッケージをインストールします。

make install
make -C doc install-html docdir=/usr/share/doc/tar-1.35

8.69.2. Tar の構成

インストールプログラム: tar
インストールディレクトリ: /usr/share/doc/tar-1.35

概略説明

tar

アーカイブの生成、アーカイブからのファイル抽出、アーカイブの内容一覧表示を行います。 アーカイブは tarball とも呼ばれます。